吸血鬼と紅き石

「あなた達の方が、よっぽど吸血鬼だわ!そんな恐ろしい事を、平気でしようとしているだなんて!」

村長や村人を怒りのまま罵るリイエンに、気色ばむ村人達を片手で抑えて、老人が再び口を開く。

「では、人でありながら吸血鬼と交わり、お前を産んだ母親はどうなのだ」

村長の言葉に、リイエンは更なる怒りを覚える。

母が、どれだけ己を愛していたか、父から聞かされていたからだ。

その父も、自分を偽りなく愛してくれていると、二人が愛し合って望まれて自分がいると、知っているからだ。