吸血鬼と紅き石

結局リイエンが指摘した事もあり、三人は今、レンバルトの力を使わずに馬車に揺られている。

レンバルトの力でダヤンの近くの街に降り立った後、村へは馬車で行く事にしたのだ。

「全く…心配性だな、お前は。もし見付かったとしても、俺が適当に村人に暗示でも掛けりゃ、済んじまうんだけどな」

向かいのレンバルトの言葉に、リイエンは軽く彼を睨む。

そういう事ではないのだ。

リイエンは自然な形でターニャを村に置いて欲しいと思っている。

だからこうして彼の力ではなく、わざわざ馬車で向かっているのだ。

それを何を面倒臭い事を、とあっさり告げるレンバルトとは、思考や態度に吸血鬼と人間の温度差を感じ得ない。