吸血鬼と紅き石

いっそ自分が泣き喚きたい、とさえ思ったその時。

カツリ、と靴音を立ててターニャに歩を進めたのは、今まで壁際に長身を凭れ掛からせ、我関せずを貫いていたレンバルトだ。

意外なその行動にリイエンはただ黙ってレンバルトを見つめる。

レンバルトはリイエンに背を向け、その前で泣きじゃくっていたターニャの前で歩を止める。

小さなその身体を見下ろしていたレンバルトが腰を軽く曲げ、低いターニャの耳元にボソリと何か耳打ちした。