吸血鬼と紅き石

(カツールの村に、似てる)

目の前の光景は、リイエンに自然と以前暮らしていた村を思い起こさせた。

吸血鬼のせいで、失われた村。喪われた人々。

その様子を思い出すと、今でも胸が痛いけれど。

「…うん、この村がいい」

生まれ育ったカツールに似た、長閑なこの村ならターニャもきっと気に入るだろう、とリイエンが頷く。

「なら決まりだな」

レンバルトのその一言と共に、空間から映像が消える。

「あのガキの説得は、お前に任せた」

どうせ俺が言っても聞かん、と最初から丸投げして来る青年に、リイエンは思わず肩を落とす。