今までは何事もなかったが、これからもそうだとは限らない。

目の前の、銀灰の青年のいない所での奇襲も十分に考えられた。

その場合、己の身さえ守れるか怪しい自分には、ターニャを守る術などない。

『じゃあ、ターニャはどうなるの』

そう問い掛けたリイエンに。

ここにいるよりは、今まで暮らしていた村と環境は違えど、人間は人間の中で暮らした方が良いのだと。

レンバルトはそう諭した。

レンバルトの言葉に、リイエンも押し黙る。

彼の言う事は分かる。

正論だ。