吸血鬼と紅き石

スッ、と伸びた彼の腕が頬を撫でて、リイエンは身体を震わせる。

「…他の奴の匂いなんかさせやがって」

フン、とレンバルトが気に入らないとばかりに鼻を鳴らす。

「……え?」

意味の分からないその言葉に、自分を見下ろす青年をリイエンは怪訝に見上げる。

「まァ、良い。直ぐに断ち切ってやる」

目の前の唇が傲慢な笑みを形作り、頬に触れた手指がそのままサラリと肌を撫でた。

ふっ、と何かに集中するように銀灰の双眸が細められ、リイエンの目にはまるで不思議な光を帯びたように見える。