引越しは数時間とかからずに終わったようで、荷物の少なさから一人暮しであろうことが予想できた。 …男かな、女かな。 年は、どれくらいだろう。 掃除も洗濯も一段落して、お茶を飲みながらぼんやりとそんな事を考えていた。 『ピンポーン』 そんな時、部屋に響き渡る呼び鈴の音。 「はーい…」 部屋にあるモニターで確認すると、下のオートロックのあるエントランスの方ではなくて、玄関からだった。 …このタイミング、きっと隣の人だ。