正直、貴方はずるいと思う。 私が何か言えば、いつもそれを言いくるめて。にこにこしながら、甘い言葉を囁いて。 私ばっかりどきどきして、私ばっかり貴方に惹かれていって。 どんどん、好きになる。 昨日よりも今日、今日よりも、明日。 …ねぇ、伶も少しは私のこと、…… 「(…前より好きになってる?、なんて聞けるわけもなく…)」 ギシっと軋むベッドから、だるさが残る体を起こした。