「…確かに、俺は俳優の『秋月伶』だよ。」 「…、」 反応しない私におかまいなしで、伶さんは続けた。 …嘘だと、言って欲しかった。 別人だと、言って欲しかった。 けれど、そんな思いもむなしく、伶さんは痛すぎる現実を突きつけてきた。 「俳優だけど、誰とでもキス出来るわけじゃない。俳優としてしているのは、『仕事』だから。俺の意思なんてない。」 「……」