特等席はアナタの隣。

どうしようかと躊躇っていたけど、行くしかない。

勇気を出して、近づいた。

「おはよ、黒崎君。お待たせ」


黒崎君が顔を上げ、一瞬怪訝な表情をした。

「…浅野?」

「え?…うん、何?」

何でそんな顔するの?


「一瞬誰か分かんなかった。私服だと雰囲気違うな」

褒め言葉かどうかも分からなかったけど、なんだか照れてしまった。