特等席はアナタの隣。

2コールして黒崎君は出た。

「…もしもし?」

「あ…、浅野です」

「うん、どした?」


電話を通して聞く声にも色気がある。


「あの…実は明日のことなんだけど…」


急用ができたことにしようかと思ったけど正直に話した。
男の子の家に遊びに行くのが始めてなこと。
ご家族の前で料理なんてできないこと。

だから明日はやめたい、と。