特等席はアナタの隣。

「教室で…皆の前であんなこと言っちゃったから…」
暗い気持ちのまま言うと、和泉君は可笑しそうに身体を揺らす。


「笑いごとじゃないよ!!」

振り返ってキッと睨むと、そのまま顎を持ってチュッと唇を奪われた。

「ちょっ…!!ごまかさないで!!」

赤い顔で抗議すると、にっこりと微笑んだ和泉君が言う。


「やっと、堂々とできる。…俺はモカのもんだって皆に言う手間省けたじゃん」

そう言って、こめかみや瞼、頬など、顔中にキスの雨を降らせた。