特等席はアナタの隣。

「……モカ…」

高橋君を掴んでいた和泉君の手がゆるゆると離れる。
ヒックヒックと泣きじゃくる私の声だけが響いていた。




沈黙の中、はぁ〜、と深いため息が聞こえた。

「…なんか、お前らめんどくせぇな」

呆れた声で高橋君が言い、そのまま図書館から去ろうとしている。




「高橋!…もう、二度とモカに近付くな」

出口の辺りで高橋君は振り返った。


「モカちゃん!黒崎に飽きたらいつでも俺のとこに来な!」
待ってるよ♪と楽し気に言い残し、図書館から出ていった。


その瞬間、和泉君の眉がピクリと上がったのが分かった。