「和丘と本谷、まだ教室にいたのか?」 聞き慣れた声……。 「噂をすれば、綾月先生っ!」 梗子が声を弾ませながら、先にベランダから教室へと入っていく。 私も、少し後から教室に入った。 「先生、どうしたんですか?部活…のはずじゃ…。」 梗子が先生の近くまで駆け寄って聞く。 「俺、まだ部活に行ってないぞ?職員室で仕事してたし…。教室には忘れ物があったから取りに来たんだ。」 教卓の上を指差す。 なんだ…… 音楽室にも先生はいなかったんだ…。 行かなくても良かったかも……。