「……ってことは、いま向かってるのは偽札の原盤を運ばせていた組織?」

 尋ねたライカに無言で頷く。

「……」

 なんかややこしいぞ……ケビンの親父がイワンてボスの麻薬組織の運び屋をしていて、その麻薬組織はさらに別の組織の運び屋をしていたってことか?

「企業で言えば下請け会社ってとこかな」

「その例えは正しいんか……?」

「ルカからボスの名を聞いてこちらはすぐに片が付くと思っていた。問題はその上だ」

 イワンは現役の頃から小ずるい処があったからね……ベリルは笑って応える。

「彼らを許すほど私の許容は大きくはない」

 一瞬ゾクリとする。