光里は冗談と気付かないまま、顔は茹でタコ状態。
そんな光里に、俺は真実を打ち明けた。
「嘘だし。
俺、先に玄関行っとくから」
そう言って、俺は玄関前に向かった。
広い長い廊下をひたすら歩いていく。
…思ったけど、この別荘ってかなり広いよな。
青木の話によると、別荘とは別に一般向けの宿泊施設もあるらしい。
分かりやすく言えば、別荘兼ホテルみたいなもんだな。
だからか、外国人や知らない人とよくすれ違う気がする。
青木も大変だよな…。
そんな事を考えていると、俺の前をドラマの撮影で使うような機材が忙しそうに通り過ぎて行った。
そういえば…青木が
「今日、ここでドラマの撮影があるらしいんだよな」
とかなんとか言ってたような…。
そんなことを思い出しながら、俺は玄関を目指して歩いていると…
―――ドンッ…!!
俺は誰かとぶつかった。
といか、相手がぶつかってきた。
…痛ってえな。
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