悔しい。
あたしはやり切れなくて俯く。
今にも涙が溢れそうなくらいに視界がぼやけてくる。
…あたしって、こんなに涙腺脆かった?
「どうかしましたか?」
あたしの異変に気付いた女の人があたしな顔を覗き込む。
あたしは咄嗟に顔を背ける。
どうせ、あたしの報われない想いに対して同情してるんでしょ…?
いっちゃんは、あなたのものなんだから。
そんなあたしを見て、女の人があたしに触ろう手を伸ばしたその瞬間―――
「触らないで下さい!!」
あたしは、泣き叫びながら女の人の手を叩いてしまった。
あたしは自分の犯したことにハッとしてしまう。
「あ…すいませんでした…」
あたしが恐る恐る女の人を見ると、あたしのことを心配そうな表情で見ていた。
…そんな顔しないでよ。
あたし、あなたを憎めないじゃん…。
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