あたしはギュッと身を縮こませた。
身体中に緊張が走る。
もしかして…いっちゃん?
あたしは意を決して振り返った。
「え……」
「こんにちは」
こんな展開、誰が予想したのだろうか。
あたしの目の前には、いっちゃんとキスしてた、あの女の人がいた。
サラサラな髪に、スラッと伸びた背。
世間では、美人と呼ばれるタイプだ。
「あの…
あたしに何か用ですか?」
あたしは用心しながら尋ねた。
なんで、あたしに話し掛けてきたの…?
「あなた、依知君とよく一緒にいる女の子ですよね?」
「は…はい……」
…なんなの、この人。
まるで、あたしを嘗め回したように見ているみたいだった。
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