あたしが部屋を飛び出してから、どのくらい経っただろうか。

渇ききった涙の跡を触る。


あたし、いっちゃんを傷つけてしまった。


いっちゃんの傷ついている表情があたしの脳裏に浮かぶ。



あんなことを言うつもりなんかなかった。

それでも今のあたしには、いっちゃんからの言葉を待つことなんか無理だった。


待てば待つほど、あたしは大きい不安に襲われていく。



…あんなにいっちゃんのことを信じるって決めてたのに。

たっちゃんにも宣言したのに。



あたしは所詮、決めたことも守ることが出来ない弱い人間なんだ。



ほんと、あたしって最低。
人を傷つけることしかできないんだから。



あまりのやり切れなさに、冷たく笑うと、あたしは誰かに肩を叩かれた。




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