そう叫ぶと、勢いよく光里は部屋を出て行った。
「おい、光里!!」
俺の叫び声は静まり返った雰囲気を壊したが、光里には届くことはなかった。
俺は、光里に何をした?
必死に探すが思い当たる節がない。
そういえば、さっき光里が何かを叫んでいた。
―――「あたし、もう限界だよ。
あの女の人に触れた手で、あたしのこと触らないで!!』
この言葉の、何かが引っ掛かる。
俺は昔も今も光里一筋だから、他の女なんか抱いたこともない。
なのに、なぜ光里はあんな言葉を口にしたんだ?
考えた末に、俺はある出来事を思い出した。
つい昨日起こった出来事を。
「いらん誤解しやがって!」
俺は、急いで光里を追いかけに行った。
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