「…マジで光里のヤツどこ行ったんだよ」
そんなことをぶつぶつ言いながらも、俺は光里の部屋に向かっていた。
探すあてもないし、部屋が一番妥当だと思ったから。
俺の大好きなアーティストの曲を口ずさみながら、光里の部屋へと続く曲がり角に差し掛かったときだった。
「嫌ぁっ………!!」
ちょうど光里の部屋辺りから叫び声が聞こえてきた。
そして、俺は確実した。
あいつの身に、何かが起こってるということを。
俺は無我夢中で光里の部屋の前まで行くと、光里に届くように叫んだ。
「おい、光里??」
「いっちゃん!!
…助けてっ!!」
光里の泣き叫ぶ声。
俺は我を忘れてもう一度叫んだ。
「やっぱり光里か!
今行くから待ってろ!!」
ドアを開けようとするも、鍵がかかっていて開かない。
…こうなれば、ドアを蹴り破るしかねぇか。
青木、弁償はいくらでもするから、今回だけ許してくれ!!
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