ついに我慢が聞かなくなったあたしは、抱きしめてくれているいっちゃんの胸を力強く押した。



「光里…?」



突然の抵抗に、いっちゃんの顔が曇る。

止まらなくなったあたしは、我慢の限界だった。



「――――でよ…」



「…光里?」



「あたしに触らないで!!」



…こんなこと、本当は思ってないのに。

そう思いながらもあたしは意地を張って言葉を続けた。



「あたし、もう限界だよ。

あの女の人に触れた手で、あたしのこと触らないで!!」



あたしは咄嗟に部屋を出て行く。

後ろからいっちゃん声が聞こえてきたけど、無視して走った。



ごめん。

ごめんね、いっちゃん―――




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