あたしの瞳に映るのは、真っ白な天井と、豹変した坂口くん。
物音ひとつすらしない状況は、助けを呼んでも無駄だということを思い知らされる。
………怖い、怖いよっ!!
あたしの目からは大粒の涙が流れてくる。
「ほんとごめんね、光里さん。
でも俺、光里さんのこと好きだから、これはしょうがないことなんだよ」
「え…?」
…坂口くんが、あたしを好き?
頭の中が混乱し始めた。
「俺さ、真剣なんだよ。
光里さんは俺の事なんか気にしてなかったけど、俺はずっと光里さんしか見てなかった。
だから、渡したくない。
キャプテンにも、他の部員の奴らにも、もちろん河村さんにだって…!!」
坂口君は叫び終わるのと同時に、あたしに顔を近づけてきた。
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