坂口くんは、あたしにジリジリと近づいてくる。
その表情は、悪魔のようだった。
全身に緊張が走る。
「さ、坂口く…」
「すいません、光里さん」
悪魔のような恐ろしさを全身に纏った坂口くんは、あたしに謝るとドアノブをひねってドアを開けた。
と同時に、あたしを部屋の中に押し込めた。
「キャッ……!!」
押された衝撃で足元がもつれる。
その瞬間、金属音が部屋中に響いた。
「坂口くん…?」
「念の為、部屋に鍵をかけておきました」
「な…!!」
あたしは必死にドアに近づこうとする。
しかし、坂口君があたしの目の前にいる為、なかなかドアに近づくことが出来ない。
「本当にどいて!!」
「うるさい。
ちょっと黙ってろよ!!」
そう言うと、坂口君は冷たい微笑みを顔に張り付けたまま、あたしを押し倒した―――
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