いきなり海ではしゃいだからだろうか。
どっと疲れた気がする。
そんなことを感じながらボーっとしていると、あたしは誰かの胸にぶつかってしまった。
ハッとして、あたしは咄嗟に前を向いた。
「ご…ごめんなさい!!」
急いで謝った相手は、見覚えのある男の子だった。
彼はあたしの驚き様に、咄嗟に声をかけてきた。
「大丈夫ですか、光里さん?」
「えーっと…
誰だったっけ?」
サッカー部員であろう、その男の子の名前が思い浮かばない。
必死に思い出そうとしていると、その男の子は笑い出した。
あたしは、黙ってその光景を見つめた
「光里さん。
大事なサッカー部員の顔と名前くらいは覚えておいてくださいよ。
坂口です、坂口」
「あっ!!
そう、坂口くんだ!!」
やっと出てきた名前に、あたしはホッとした。
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