「な…ななっ……!!」



「モタモタしてるヤツには、海水かけてあげるわ」



そう言ったいっちゃんは、あたしに海水をかけてきた。

そのおかげて、あたしは全身ビショビショだ。



「いっちゃん、ひどい!

あたしまだパーカー脱いでないのに、濡れちゃったじゃん!!

お返し!!」



そして、あたしは近くに浮かんでいた海藻をいっちゃんに投げつけてやった。



「何だあ?

いい度胸じゃん」



「いっちゃんだって!!」


その言葉をきっかけに、あたしといっちゃんは、お互いに海水をかけまくった。


―――なんだ。

あたし、いっちゃんと普通に話せてる。


やっぱり少しだけ胸は痛いけど、こうしていっちゃんとの時間を大切に出来てる。



あたし、いっちゃんが好きなんだ。


大好きなんだ。




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