「ねえ、たっちゃん…」



「どうした、光里?」



たっちゃんの優しい笑顔を見たあたしは、なんだか話しやすくなったような気がした。

思い出す光景がフラッシュバックしてくる。

辛くなりながらも、あたしはたっちゃんの目をしっかりと見た。



「…聞いて欲しいことがあるの」



あたしは震えながらも、すべてをたっちゃんに話した。



いっちゃんを探していたら、いっちゃんと女の人がいたこと。

その女の人といっちゃんが、昔付き合っていたような会話をしていたこと。

そして、女の人がいっちゃんにキスしていたこと。

あたしはそれを見て、すごく嫌な気持ちになったこと。



たっちゃんはあたしが話している間、ずっと真剣に聞いてくれていた。



すべてを話し終わった瞬間、あたしの目からは枯れ果てていたはずの涙が溢れてきた。




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