飛行機にゆられて、約八時間。
ついに来てしまいました、南の国・ハワイへ。
未だに、この状況がよく理解できない。
いっちゃんやたっちゃんに事の真相を聞きたくても、どこから聞けばいいか分からないあたしは、飛行機の中でもずっと黙っていた。
「光里、ハワイに来た感想はどう!?
びっくりしただろ!?」
あたしに話し掛けてきたノーテンキなたっちゃんを睨みつける。
「びっくりしたじゃないよ!
いきなりハワイとか…」
「まあまあ、落ち着けって」
たっちゃんがあたしをなだめていると、いっちゃんがあたし達に近づいてきた。
「おい、青木。
さっさとお前ん家の別荘に向かおーぜ」
…今、いっちゃん、何て言った?
「べ…別荘って?」
なんか、聞こえちゃいけないような単語が聞こえてきたような…。
あたしはいっちゃんに恐る恐る問い掛けてみた。
「青木の親父、あのスカイラルグループの社長さんなんだってよ」
「えっ…!?」
あたしは思わず、甲高い叫び声を上げてしまった。
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