バスが出発して、約三時間。
やけに時間がかかるなと思いながらも、あたしは静かなひと時を過ごしていた。
そしてついさっきバスが止まり、あたしはその場所を見て愕然とした。
「…………」
なんでかな。
やっぱりあたし、頭がおかしくなったのかな?
幻覚なのかな??
学校を離れたバスが着いた先、それは…
「な…なんで空港になんかいるの?あたし達っ…!!」
「光里、他の客に迷惑」
あたしはいっちゃんの手によって口を塞がれた。
そうなんです。
何故かあたし達サッカー部は、空港にいます。
しかも、国際ターミナルに。
国際ターミナルってことは、合宿先って外国ってことだよね?
完全にフリーズしたあたしに、たっちゃんは声をかけてきた。
「光里、そろそろ飛行機の搭乗の時間」
「えっ……!?」
叫びたくても、いっちゃんの手がある為、叫ぶことが出来ない。
あたしはいっちゃんに口を塞がれたまま、半強制的に連れて行かれた。
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