「まっ、着いてからのお楽しみだな。
光里、水着持って来いよ!?」
「へ、水着??」
あたしは頭にハテナマークを浮かべる。
一体この二人、どこ行くつもりでいるの!?
あたしがまだ熱を持った顔を一生懸命冷ましていると、たっちゃんが思い出したように口を開いた。
「もうこんな時間か。
河村に光里、部活行くぞ」
「おう」
「うっ…うん……」
あたしはいっちゃんとたっちゃんを追いかけて教室を出た。
この二人といると、ほんとに振り回されるなあ。
でも、なんで水着なんか持って来いって言ったんだろう。
誰か着たいのかな!?
いや、でもそれはちょっと…。
変な想像をしている間にも、あたしはそのことをすっかり忘れてしまっていた。
―――その謎は、もう少ししてから分かること。
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