よほどあたしは思い詰めていたんだろう。

一人でテンパったあたしに気付いて、いっちゃんがあたしに近づいてきた。



「心配するな、合宿じゃ変なことはしねーよ。

まあ、光里からそんなこと頼まれたら即OKだけど」



「な……バカっ…!!」



わざわざいっちゃんは、あたしの耳元でたっちゃんに聞こえないように言ってくれたのに、バカなあたしはそれに気付かず大声で叫んでしまった。



「何がバカ?」



「たたたたっちゃん…」



たっちゃんからの問いかけに、初めてその事実に気付いたあたし。

一応いっちゃんを睨みつけるけど、物凄く笑いを堪えているように見えた。



「どうした?光里、顔真っ赤」



「ええ…!!

そ…そうかな…?」



ひいーっ!!

たっちゃん、そこは聞かないで!!



「なっなんでもないよ!!

で、合宿先はどこなの??」



あたしは咄嗟に話題を変えた。

どうやらあたしが話題を変えたことにたっちゃんは気付いていないようだ。


だけど、たっちゃんはいっちゃんと顔を見合わせて、ニヤニヤし始めた。





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