俺は女子軍団に気付かれないように、青木に向かって口を開いた。
「いや、行きてーんだけど……」
俺の困惑の表情を見て悟ったのか、青木は「俺に任しとけ」と呟くと、女子軍団に話し掛けに行った。
「ねぇ、そこの女子の皆さん?
今度遊びに行かない?」
「あ、青木じゃん!!」
なるほど。
青木がおとりになっている間に教室を抜け出せってことか。
というか…
どこのホストだよ、青木のヤツ。
そう思いながらも、俺は素早く机に置いてあったものを片付けて、教室を出た。
女子軍団は誰ひとりと気付いていないみたいだった。
俺は安堵の溜め息をこぼすと、グラウンドに向かって走り出した。
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