「ち…ちょっと?
佳奈ちゃん??」
突然の事に驚くあたしは、怖がる事を忘れて佳奈ちゃんに近寄る。
佳奈ちゃんはそんなあたしを見て、また頭を下げ始めた。
「あたし…小原さんにやきもち焼いて、こんな事…」
佳奈ちゃんの声は、涙で途切れてしまっている。
あたしはそんな佳奈ちゃんを見て、思わず抱きしめてしまった。
佳奈ちゃんの方は、小刻みに震えていた。
「佳奈ちゃん、謝らないでよ。
あたし達、今みたいな関係は止めようよ。
…あたし、佳奈ちゃんと友達になれないかな?」
「でも…あたし……」
「佳奈、光里が友達じゃ不安か?」
佳奈ちゃんは、泣き続けながらいっちゃんとあたしを見る。
その顔は…ただ単に優しい表情をしていた。
「…これからよろしく…光里………」
佳奈ちゃんは照れながらも、あたしの事を友達と認めてくれた。
あたしは嬉しくて、思わずニッコリ笑ってしまう。
「佳奈ちゃーんっ!!」
「な…何よ!!」
不器用だけど、実は誰よりも人を思っている佳奈ちゃん。
あたしは、佳奈ちゃんと何故か強い絆で結ばれそうな予感がした。
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