すると、突然ドアの方から大きな音が聞こえた。
…もしかして、先生?
あたしが隠れようとすると、いっちゃんがそれを拒んだ。
「い…いっちゃ―――」
「あれは…佳奈だ…」
雄太君の冷静な声に、あたしは驚いて入り口を見つめた。
佳奈ちゃんは、あたし達をずっと見つめるように立っていた。
あたしの身体は少しだけ強張ってしまう。
でも何か…佳奈ちゃんの雰囲気が何か違うような気がした。
以前のような、ツンツンしている部分が無くなっているように感じた。
黙り込むあたし達に、佳奈ちゃんは無言のまま近付いてくる。
…何をしに来たの?
雄太君ですら、佳奈ちゃんが何をしたいのか分からないみたいだった。
あたしの額に汗が滲んでいく。
緊張の汗だった。
そして、ついに佳奈ちゃんがあたしの目の前に現れた。
勢いよく目をつむった瞬間、佳奈ちゃんの口から驚くべき言葉が聞こえてきた。
「小原さん、本当にごめんなさい…!!」
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