話している間にも、あたし達は教室に着いた。
あたしといっちゃんは、カバンを席に置くと教室を出て行った。
「ちょっ…どこ行くの?」
「ちょっとね!
あたし達、一限目休むから!!」
心配する玲を少しだけ申し訳なく思いながらも、あたしといっちゃんは隣の教室の中に入っていった。
「雄太、ちょっといいか?」
「…ああ」
真剣なあたし達を見て、目的の人物…雄太君は黙ってあたし達に着いてきた。
着いた先は屋上。
朝だからか、まったく人がいない。
シーンと静まり返る雰囲気の中で、あたしは単刀直入に切り出した。
「ずっと気になってたんだけど…。
佳奈ちゃんは…本当に妹じゃないの?」
…ずっと気になっていた。
あの言葉の意味が。
あたしといっちゃんが見つめる中、ゆっくりと雄太君は口を開いた。
「俺の言った事、覚えてたんだな。
…その事なら、本当だから」
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