部屋にずっとこもっていると、あっという間にいっちゃんがいなくなる日になってしまった。



あたしは見送りには行かないと決めていた。

…絶対引き止めてしまうから。



折角こうして出逢えたのに、

想いが通じ合って付き合えたのに、


ごめんね…いっちゃん。



いっちゃん…家に帰っても、家族と幸せに暮らしてね?

そして、佳奈ちゃんをしっかり愛してあげて?


…あたしがいっちゃんと別れている限りは、いっちゃんパパは平和なはずだから。



「ひどい顔…」



あたしは近くにある鏡を見る。


あたしの顔は、ここ数日でかなり痩せ細っていた。

ご飯を食べる気がすら起きないから。



そんな時、あたしの部屋のドアから音が鳴った。



…誰?



顔を見られるのを拒みながらも、あたしはドアをを開ける。



「…お母さん?」



「光里ちゃんのお友達っていう子が来てるわよ?

しかも、男の子。

光里ちゃん、出れるかしら?」



「お…男の子?

分かった…行ってみる」




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