「寝てるのか?」
…やっぱりどうしよう。
そろそろ、いっちゃんの事を無視するのも限界になってきた…。
あたしはついに我慢出来なくなり、ベッドから顔を出してしまった。
「ど…どうしたの、いっちゃん?」
「光里…大丈夫か?」
「だ…大丈夫だから!」
あたしは、いっちゃんに気付かれないように、今出来る精一杯の笑顔で答える。
…そろそろ時間が迫ってきている。
お別れの時間が。
あたしは今すぐにでも溢れ出してきそうな涙を我慢しながら、いっちゃんを見つめた。
「あのね…いっちゃん。
話があるの………」
「どうした?」
いっちゃんの優しい笑顔があたしに向けられる。
…本当は別れたくない。
いっちゃんが大好き。
だけど…好きだから、いっちゃんに幸せになってほしいから…。
「あたし達…別れよう?」
あたしはこの道を選んだの…。
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