あたしは教室に戻ってからも、佳奈ちゃんから突き付けられた現実が頭をよぎり、笑う事が出来ないでいた。
少し前まで、笑いながら玲とご飯を食べていたあたしはどこに行ったの?
たっちゃんと数学の公式について話していたあたしはどこに行ったの?
そして…
幸せな気持ちで、いっちゃんに恋していたあたしはどこに行ったの?
数時間前のそんな些細な事が、今となっては夢に思えてくる。
「今日調子悪そうだから、部活休め、光里」
このたっちゃんの言葉で、あたしは今日の部活を休ませてもらった。
という訳で、あたしは自分の部屋に居る。
ふと時計を見ると、もうすぐいっちゃんが部活から帰ってくる時間になっていた。
…どうしよう。
こんな状態でいっちゃんとは話せない。
いっちゃんの顔を見るだけで、溜めていた想いが一気に溢れ出してしまいそう。
それでも、あたしはいっちゃんと向き合わなければいけない。
あたしは決断したから。
…今日で、この恋を終わらせるって。
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