「小原さん、ちょっと来て」
「あ…あたし?」
佳奈ちゃんはそう言うと、あたしの腕を掴む。
突然の事に、いっちゃんもあたしの元に駆け寄ってくる。
「おい、佳奈。
光里に何の用なんだよ」
いっちゃんはあたしの前に立って、佳奈ちゃんからあたしを守っている。
でも、そんないっちゃんをあたしは退けた。
「光里…?」
「心配してくれてありがとう、いっちゃん。
でも、あたし行ってくるよ」
「急にどうしたの?光里」
玲の必死な声があたしの耳に響く。
だけど…
「大丈夫。
すぐに戻ってくるから」
あたしはいっちゃんと玲に対してニッコリと微笑むと、佳奈ちゃんと一緒に教室を出て行った。
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