「何してんだよ、学校行くぞ」
いっちゃんの言葉を聞いたあたしは、急いで時間を確認する。
時計の針は、まだ七時半を指している。
どう考えても学校に行くには早すぎるし、第一、今日は学校を休もうかなって…。
「やっぱり、学校休む気だったんだろ」
「…えっ!?」
いっちゃんの鋭い剣幕に、図星のあたしは分かりやすく反応してしまう。
「光里は分かりやすいんだよ…」
そう呟いたいっちゃんは、あたしに右手を見せてきた。
「昨日、光里言ったよな?
これがある限り、あたしといっちゃんの仲は永遠に不滅って」
…そうだよね。
あたしは自分の右手の薬指を見た。
これがある限りは、あたしといっちゃんは絶対に離れない。
「あたし…学校行く」
「それでこそ俺の彼女だ」
いっちゃんはあたしの頭をクシャクシャにすると、「玄関で待ってる」と言い残してあたしの部屋を去っていった。
いっちゃんのおかげで、少しは元気が出たかも。
いっちゃんの彼女はあたしなんだから、もう少し堂々としていないとね!
佳奈ちゃんには負けないんだから!!
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