―――――ピピピピピピピピ…


うるさく目覚まし時計が鳴り出す。



「………っ…」



あたしは目を擦りながら目覚まし時計を急いで止めた。



いつもなら、ウキウキ気分で学校に行く準備をしてるはず。


いっちゃん、玲、たっちゃん、サッカー部のみんな、

あたしの大好きな人達が集まる学校へ。



だけど、最近はそういう風にはなれない。

…佳奈ちゃんと雄太君が現れてからは。



佳奈ちゃんは、あたしといっちゃんの仲を壊したがってる。


自分の好きな人を手に入れたいって頑張っている…。



そして雄太君の気持ちが分からない。


あの日、あたしに言ってきた「お前の事、気に入ったわ」って言葉。


明らかに、雄太君もあたしといっちゃんの仲を壊そうとしているのが分かる。



…そんなに、あたしの幸せを奪いたい?



ずっとこんな事を考えていると、気分が沈んでいくのも当たり前だ。



「学校休もうかな…」



あたしが口を開いた瞬間、いきなり部屋のドアが開いた。



「いっちゃんっ…!?」



ドアの所にいたのは、制服に着替えて準備バッチリないっちゃんだった。




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