あたしは思わず口を手で覆った。


…それじゃ、いっちゃんの友達って事!?



確かに、佳奈ちゃんがいっちゃんに対して親しそうにしていた訳も分かる。



…あたし、バカだよね?

いっちゃんの友達である佳奈ちゃんに向かって怒鳴ったりして…。


とにかく謝らないと!



「えっと…」



「あたし言っとくけど、依知の事好きだから」



「えっ…」



…ごめんね。

この言葉は、佳奈ちゃんの衝撃発言によって掻き消された。



「何言ってんだよ、佳奈」



あたしだけでなく、いっちゃんまでもが驚いている。



そして、あたしは気付いてはいけない事に気付いてしまっていた。


…いっちゃんが「佳奈」と呼び捨てにしていた事を。



友達だって分かっていても、嫌だよいっちゃん…。



「あたし…トイレ行ってくる」



「おい…光里っ!」



あたしは我慢出来なくなり、いっちゃんの声を無視して教室を飛び出して行った。



涙腺が決壊して、涙が止まらなくなる。



今朝の、嫌な予感。

登校中に、いっちゃんから貰ったラブリングが外れた事。



全て、この事を物語っていたんだ…。




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