「さ…触らないで!」



テンパるあたしは、何が起こっているかあまり理解出来ないまま叫んでいた。


そんなあたしを面白くなさそうに見つめる編入生の女の子。



…負けてたまるもんか!

あたしはその女の子に言ってやった。



「…いっちゃんはあたしの彼氏なの!

だから触らないでっ!」



「光里…」



いっちゃんは、自暴自棄になって叫びまくるあたしを見て、その女の子を振りほどいた。


そして、あたしの身体を抱き寄せた。



「俺、コイツと付き合うために編入したんだよ」



「は…?」



編入生の女の子は、あたしの事を舐め回すように見ている。



正直、あたしに向けられる視線が怖かった。


あたしがいっちゃんの顔を見て安心しようと身体を離した瞬間、今度は編入生の男の子が口を開いた。



「驚かせてごめんな、依知の彼女さん。


俺は、福井雄太。

んで、コイツは俺の双子の妹の福井佳奈だ。


俺達、依知がここに編入する前の高校に通ってたんだ」




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