俺は自分を忘れて、宮本を抱きしめた。



初めて感じる愛しい人の体温。

サラサラの髪の毛に、スベスベの肌。



…嘘じゃないよな?


こんなちっぽけな俺の事を覚えてくれていたなんて。



「俺からも、伝えたい事があるんだ…」



俺がそう言うと、宮本が少しだけ反応する。



…怖いんだろうな、きっと。

俺からの返事が。



俺は、お互いの身体が密着した状態で口を開いた。



「…ずっと、初めて会った時から宮本の事が好きだった」



やっと言えた俺の気持ち。



「…離れ離れになってからも、俺は想い続けてたから」



「…本当に?」



信じられないとでも言いたそうな宮本が、涙目で俺に問いかけてくる。



「本当だから、玲…」



「――――っ…!」



俺の言葉を聞くと、玲はより一層泣き出した。




.