あたし達は近くの公園に移動し、側にあるベンチに座った。
あたしは青木君を盗み見る。
…こんなにスムーズに行くとは思わなかった…。
でも、今の様子じゃ青木君は今日がバレンタインっていう事をすっかり忘れているみたい。
…告白って、こんなに勇気がいるんだ。
隆の時は、向こうがあたしに告白してきたから、別に何ともなかった。
だけど、今は…あたしが告白する側。
自分の想いを伝える側。
そう考えると、とても怖い…。
あたしの想い、受け止めてくれなかったらどうしよう…。
そう考えれば考える程、告白するという事が怖くなってくる。
…あたしの目からは、涙が流れ落ちていった。
「…宮本!?」
突然泣き出したあたしに、青木君は戸惑い気味。
あたしは覚悟を決めると、涙目のまま青木君の方を向いた。
「…青木君は覚えてないかも知れないけど、中学二年生の時に、あたしは青木君に会ってるの。
一緒に遊んだりして、青木君と過ごした日々は楽しかった。
…でも、あたしは青木君の前からいなくなった。
去って行ったのはあたしだけど、凄く寂しかった。
だけど、高校に入学してからまた青木君と出会えた。
嬉しかったから言うね。
あたし、青木君の事が―――」
次の言葉を言いかけた時、あたしは青木君に抱きしめられた。
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