隆君が学校に現れてから一ヶ月が経った。


高校二年生も後少しで終わるという二月上旬。



玲は隆君ときちんとけじめをつけたらしく、最近は心から笑っているように見える。


たっちゃんも、そんな玲を見て安心している様子。



玲の気持ちはまだ詳しくは聞いていないけど、二人の雰囲気を見ていると、玲はたっちゃんの事を好きになりかけている気がする。



あたしが一人でそんな事を考えていると、玲があたしに近付いてきた。



「…光里、話があるんだけど」



「玲…?」



玲の真剣な表情に戸惑いながらも、あたしは大人しく玲に着いて行き、屋上へと到着した。



…屋上。

玲が初めてあたしの前で泣いた場所。



あの時を思い出すと、未だに胸が張り裂けそうな思いになる。



「…あのね、光里」



あたしが胸に手を置いた瞬間、玲が笑顔であたしの方を向いた。



「あたし、青木君の事好きになった!」




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