教室に着くと、あたしはまず玲の所に向かった。



実は、冬休みの間に玲を遊びに誘ったんだけど、日程が合わなくて断念。


だから、玲と会うのは終業式以来。



あたしが玲の席に近付いていくと、明るい声であたしの事を呼ぶ玲がいた。



「玲、おはよう!」



「おはよう!久しぶりだね」



あたしに向かって、とびきりの笑顔を見せてくる玲。



…あたしが男の子だったら、その笑顔は完璧に落とされてるよ。



そんな事を思いながら、あたし達が談笑していると、これまた聞き慣れた声があたしの耳元で響いた。



「光里と宮本、おはよう」


「たっちゃん!」



あたし達の前に現れたたっちゃんも凄く笑顔。


たっちゃんも、あのお泊り会以来会っていなかった。



「宮本、あのさ―――」



「それ知ってるー!」



あたしの前には、楽しそうに話しているたっちゃんと玲の姿。



「青木も本気で頑張ってるみたいだな?」



いつの間にか現れたいっちゃんが、コソコソ声であたしに耳打ちする。

あたしも返事をする為に、いっちゃんの耳に顔を近付けた。



「玲も思い出してくれたらいいんだけどね…?」



「俺らのように、青木達にもなってほしいしな」



あたし達の願い、叶えばいいのにな…。




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