「まあ…そういう事。

タバコは止める時は辛かったけど、今はもう大丈夫だし」



俺が話している間、光里も河村もただ頷いているだけだった。


…やっぱり重すぎたよな。

いきなりこんな話して。



それでも知ってて欲しい。

…俺の大切な友達だから。



「父さんの知人に頼んで、宮本がどこの高校を受けるかという事を調べて貰った。

それで俺はこの高校に入学したんだ」



「…青木」



次々に俺の口から話される真実に、切ない表情をしながら河村が反応する。



「今まで隠してゴメン。

…でも、いつかは言おうと思ってたんだ」



俺が言葉を続けると、今度は光里が口を開いた。



「こんなに辛い思いしてたのに、気付かなくてごめんね…」



またシーンと静まり返る空間。

それでも光里は話し続けた。



「…これからは、あたしもいっちゃんもたっちゃんに協力するから!

玲のこと、頑張ろうね」



予想外の言葉に、俺は少しだけ動揺する。

と同時に、光里の笑顔があまりにも明るかったから、俺は思わず笑ってしまった。



「本当にこんな俺の事を受け止めてくれてありがと」


こうして、俺達三人の長く深い夜は過ぎて行った。




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