「たっちゃんの好きな人って…

………玲っ!?」



あたしが大きな声で叫ぶと、たっちゃんは首を縦に振った。



その瞬間、あたしの顔には笑顔が生まれる。



…やったじゃん、玲!


たっちゃんは玲の事が好きなんだって!



…でも、玲の気持ちがハッキリしないとそんなに喜べないか。



あたしは少しテンションが落ちながらも、いっちゃんを見た。

だけど、何故かそんなに驚いていない。



「いっちゃんはなんで驚いてないの?」



「だって、青木が唯一話す女子って、光里か宮本しかいねーじゃん。

しかも、宮本の事を凄く優しい目で見てたしな」



いっちゃんは淡々と話していく。


…やっぱりいっちゃんは侮れないや。



「…たっちゃんは玲に告らないの?」



あたしが興味津々に聞くと、たっちゃんはつめ息をつき始めた。



「…宮本は、たぶん俺の事を覚えていないと思う。

しかも、あいつは彼氏と別れたばっかだろ?

…そんな時に、俺は絶対告れない」



寂しそうなたっちゃんの表情が、あたしの目から離れなかった。




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