玲の事件から約二週間。
終業式が終わり、通知表も返ってきて、あたし達の生活は冬休みに突入していた。
そして今日は、たっちゃんがあたしの家に泊りに来る日。
いっちゃんがたっちゃんに提案してみると、案外乗り気だったらしく、
「一回でいいから、光里ん家に行ってみたかった」
とか何とか言っていたらしい。
…でもあたしの家なんて、たっちゃん家なんかに比べたらごま粒なんだろうけど。
あたしがそんな事を考えながら準備をしていると、突然あたしの部屋にいっちゃんが入ってきた。
「今大丈夫か?」
驚いたあたしは目を大きくしながらもいっちゃんを受け入れた。
「大丈夫だよ。どしたの?」
あたしが自分のベッドに座ると、いっちゃんは一枚の紙切れを渡してきた。
中には何か書いてある。
あたしはその紙切れを開いてみた。
紙切れには、「青木と光里のルール」と大きな字で書いてあった。
そして、その下に大きく書かれてあったのは―――
「俺がイチャついてると思った回数だけ、青木が帰った後にキス!?」
あたしは驚き過ぎて、その紙切れを口に出して読み上げてしまった事を少し後悔した。
.

